
ガリレオやニュートンも学んだユークリッドの『原論』とはどんな本?

近代科学の父と言われるガリレオやニュートンも古代ギリシアの数学を勉強したって聞きました。ユークリッドの原論っていう本が教科書だったって聞いたけど…どんな本なのかな?

Q. ユークリッドの『原論』とはどんな本?
古代ギリシアのユークリッドが書いた『原論』とはどのような本なのでしょうか?
A.古代ギリシアにまとめられた“数学の教科書”です。
紀元前300年頃、古代ギリシアの数学者 ユークリッド(エウクレイデス)がまとめた『原論』は、数学の歴史の中でも最も重要な本の一つです。『原論』は、幾何学を体系的にまとめた最初の教科書であり、後世に大きな影響を与えました。
この本の特徴は、
・「定義」から始まり
・「公理(前提)」を置き
・そこから「定理」を一つずつ導いていく
という構成になっていることです。
たとえば、
・点とは何か
・線とは何か
・三角形とは何か
といった基本からスタートし、そこから少しずつ複雑な性質へと進んでいきます。つまり『原論』は、 「数学をどう組み立てるか」を教える本だったのです。
そしてこの本は、なんと2000年以上にわたって読み継がれ、ガリレオやニュートンの時代にも、数学の基本として使われていました。

えっ、ガリレオやニュートンもそんな昔の本を読んでたの!?近代科学を作った人って言われているのにちょっと意外だね。

ギリシア幾何学を使ったガリレオ
落下する物体の速度はどのように増えていくのか。瞬間の速度とは何なのか。ガリレオ・ガリレイは、およそ30年もの歳月をかけて、この難問に挑み続けました。
しかし当時は、現在のように長さや時間を自由に数として計算することができませんでした。長さや面積、時間は「量」として考えられ、代数や数式ではなく、図形や比を使って扱うのが一般的だったのです。
そこでガリレオは、距離や時間を「線分の長さ」として表し、それらの関係を比で考えました。つまり、運動という目に見えない現象を、幾何学の図形へと置き換えて考えたのです。
この発想は、ユークリッドの『原論』で体系化されたギリシア幾何学そのものでした。私たちは「速度」を数式で表すことに慣れていますが、ガリレオは数式ではなく、図形を武器にして自然の法則へ挑んでいたのです。

昔は長さや時間を「数」として計算できなかったんだね。今では当たり前の数式も、ガリレオの時代にはまだなくて、図形を使って考えていたなんてびっくり!

ニュートンへつながる「数学の土台」
ガリレオの研究を受け継いだのが、17世紀の科学者アイザック・ニュートンです。ニュートン も、学生時代にはユークリッドの原論を学びました。そして彼の代表作『プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)』を開いてみると、意外なことに、そこには現代の教科書のような数式はほとんど並んでいません。本の中を埋め尽くしているのは、ユークリッドの『原論』を思わせる図形と、それをもとにした論理的な証明です。
つまりユークリッドの『原論』は、
・ガリレオが運動を理解するための道具となり、
・ニュートンが万有引力や運動の法則を説明するための土台となりました。
古代ギリシアで築かれた数学は、約2000年の時を超えて、近代科学の誕生を支えたのです。

どんなに新しい発見も、いきなり生まれるわけではない。その下には、長い時間をかけて築かれた“考え方の土台”があるのじゃ。ガリレオもニュートンも、その土台の上で世界を測り、数で語ることを始めた。『原論』とは、その土台を支えた書物なのじゃよ。
もっと深く知りたい方へ

ユークリッドの『原論』は、単なる“古い数学の教科書”ではありません。ガリレオやニュートンは、ユークリッドの原論を学び、ギリシア数学の考え方を使って「運動」を研究しました。つまり近代科学は、突然生まれたものではありません。古代ギリシアから受け継がれてきた「考え方のリレー」の上に成り立っているのです。電子書籍『ガリレオの挑戦2』では、ガリレオがどのようにギリシア数学を武器にして「速度」という難問に挑み、近代科学への扉を開いたのかを、わかりやすく解説しています。「数学が世界を説明する道具になった瞬間」を、一緒にたどってみませんか?
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