
「それでも地球は動く」昔の人は“地球は動かない”と考えていた?

ガリレオって裁判のときに「それでも地球は動く」と言ったって話があるよね?今では地球が太陽のまわりを回っているのは当たり前のことだけど、昔の人は本当に「地球は動かない」って考えていたのかな? もしそうだとしたら、どうしてそんな考えを信じていたんだろう?

Q. 昔は「地球は動かない」と考えられていた?
ガリレオ・ガリレイが宗教裁判にかけられた時、「それでも地球は動く」とつぶやいた――そんな有名な話を聞いたことはありますか?ガリレオの時代、人々は宇宙をどのように考えていたのでしょうか?「地球は動かない」と考えていたのでしょうか?
A. はい。かつては「地球が宇宙の中心にあり、すべてがその周りを回る」と考えられていました。
これがいわゆる天動説(地球中心説)です。
・地球は宇宙の中心にある
・太陽や星が地球の周りを回っている
この考えは、アリストテレスやプトレマイオスによって体系化され、長いあいだ「正しい宇宙の姿」として信じられてきました。
実際、空を見上げると太陽や星は毎日東から西へ動いているように見えます。
また、地球が動いているなら風や物の動きに影響が出そうですが、当時の人々にはそのような変化は感じられませんでした。
つまり天動説は、当時の観察や感覚にとてもよく合った“合理的な説明”だったのです。

一方で、これに対して登場したのがコペルニクスが主張した地動説(太陽中心説)です。
・太陽を中心に、地球を含む惑星が回っている
・地球自身も自転している
この考えを支持したのが、ガリレオでした。


えっ…昔は“太陽が動いてる”って思ってたんだ!でも言われてみれば、毎日空を見てるとそう見えるよね…。「地球が動いてる」って考えるほうが、むしろ不自然に感じたのかも…。

ガリレオの「証拠」は実は間違っていた?
ガリレオは、地動説が正しいと強く確信していました。そしてその証拠として「潮の満ち引き(潮汐)」を説明しようとしました。
彼の考えはこうです。
・地球は自転しながら太陽の周りを回っている
→その複雑な動きによって海の水が揺れる
→これが潮の満ち引きになる
つまりガリレオは、「潮の動き=地球が動いている証拠」だと考えたのです。しかし、現在の科学では、潮の満ち引きは主に月や太陽の引力によって起こることが分かっています。
つまり――ガリレオが地動説の決定的な証拠だと考えていた説明は、間違っていたのです。

えっ!? ガリレオって地動説の証拠まで見つけていたんじゃないの? 正しい結論にたどり着いていても、その理由は間違っていることがあるんだね…。

初の天体観測:望遠鏡を空に向けたガリレオ
ガリレオが地動説の決定的な証拠だと考えていた潮汐の説明は誤りでした。しかし彼は、自ら改良した望遠鏡を使い、天体における数々の発見をしました。
まず有名なのが、木星のまわりを回る4つの衛星の発見です。「もしこれらの星が木星の周りを回っているなら、地球も月を従えながら太陽のまわりを回っていたとしてもおかしくはない」とガリレオは考えました。この発見は「すべての天体が地球のまわりを回っている」という天動説に、大きな疑問を投げかけました。
また、月を観測したガリレオは、月の表面が凸凹していることにも気づきます。当時の人々は、天体は「完全でなめらかな球体」だと考えていました。しかし実際の月には山や谷があり、地上の世界と同じように不完全な姿をしていたのです。これは「天上界は完全である」という古代ギリシア以来の考え方を揺るがすものでした。
こうした観測は、人々の宇宙観を大きく変えていきました。

重要なのは「絶対に正しい証拠」を最初から持つことだけではない。観察し、考え、より多くの現象を説明できる考えを選び続けること――それが科学の本質なのじゃ。
もっと深く知りたい方へ

「地球は動いている」という考えは、今では当たり前のように思えます。しかしガリレオの時代、それは“世界の見え方そのもの”を変えてしまう、大胆な発想でした。しかも興味深いことに、ガリレオは「完全に正しい証拠」を持っていたわけではありません。それでも彼は、自ら観測し、多くの現象を説明する理論を考えたのです。
そしてガリレオは、天体観測だけでなく、「落下」や「時間」といった身近な現象も、数学を使って理解しようとしました。ガリレオが見ようとした“新しい世界の姿”を、一緒にのぞいてみませんか?
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