
「指数関数」って何?倍々に増える不思議

「1つが2つに、2つが4つに……」という具合に、倍々に増えていく話ってよく聞くよね。これって数学では「指数関数」って呼ぶらしいんだけど、具体的にどんな仕組みなんだろう?

Q. 「指数関数」とは?
「1つが2つに、2つが4つに……」と、何かがどんどん増えていくお話を聞いたことはありませんか? 最初はたった「1」でも、気づけば想像もできないほど巨大な数になっている。そんな「爆発的な成長」の裏に隠れているのが「指数関数」です。
一見、現代のコンピュータのための数学に思えますが、実は古代の人々もこの不思議な数に魅了されていました。まずはその基本をのぞいてみましょう。
A. 「倍、倍、倍」と、雪だるま式に増えていく数のことです。
最初は小さくても、ある地点から一気に加速して大きくなる。この「増え方のルール」が、指数関数の正体です。実際に増えていく様子を見てみましょう。
1 → 2 → 4 → 8 → 16 → 32 → 64 → 128 → 256 → 512 → 1024……
たった10回繰り返すだけで、なんと最初の1000倍以上に膨れ上がります。この急成長を計算式で表したものが「指数関数」であり、それを支えるのが「累乗(るいじょう)」という仕組みです。
右肩に乗った小さな数字(指数)は、「同じ数を何回掛け合わせるか」を教えてくれるサイン。たとえば「210」は「2を10回掛ける」という意味で、これがスマホのデータ容量(ギガ、テラなど)の基礎にもなっています。

最初はのんびり増えているのに、途中から急に数字が大きくなってびっくりするね!現代のテクノロジーを支えている力が、こんな「倍、倍」の計算に隠されているなんて!

全部足すとどうなる? 指数の合計に隠された「美しいルール」
この指数的に増えていく数の「合計」を計算しようとすると、魔法のような便利な公式が見つかります。
「1から倍々に増やした数の合計は、最後の数を2倍して、そこから1を引いた数になる」
たとえば、1 + 2 + 4 + 8 + 16 を計算したいとき。普通に足すと大変ですが、このルールを使えば、最後の「16」を2倍した「32」から「1」を引くだけ。答えは「31」だと一瞬でわかります。数式で書くと次のようになります。
1 + 2 + 4 + … + 2n = 2n+1 – 1
古代ギリシアの人たちは、現代のような便利な数式を持っていませんでしたが、この美しい関係を「言葉」や「形」として捉えていました。
どうしてそうなるのか?その理由は、次のトピックで『形』を使って解き明かしましょう。

わざわざ全部足さなくても、最後の数字を見るだけで答えが出ちゃうなんて……。数学って、時々手品みたいで面白いね!

古代ギリシア流「図による証明」を見てみよう
古代ギリシアの数学は、計算よりも「図形の調和」を大切にしました。彼らがどのようにして「合計は2倍マイナス1になる」と理解していたのか、パズルのような証明を覗いてみましょう。

「1」をはめる: 隅にある空きスペースに「1」をはめ込むと、最初の「1」と合体して「2」の塊になります。
形を合体させる: できた「2」の塊は、下にある「2」のタイルとぴったり同じ大きさになり、合体すると「4」の正方形になります。
連鎖する合体: 合体した塊は、次々に隣のタイルと同じ大きさになります。最後には、一番大きなタイルと全く同じ塊がもうひとつできあがり、長方形が完成します。
最後に、最初に追加した「1」を差し引けば、元の合計が求められる――。式を使わずに「目で見て納得する」のがギリシア流の学び方です。

こうして図で考えると、なぜ合計が『最後の2倍マイナス1』になるのか、理屈抜きで納得できるじゃろう?
現代の私たちは、ついつい「数学=計算」と思いがちじゃが、古代ギリシアの人たちにとっては、数は「世界の美しさを描くための道具」でもあったんじゃよ。
難しい数式を解くだけが数学ではない。こうして「なぜそうなるのか」を形で見つけ出す喜びを、これからも大切にしていきたいものじゃな。
もっと深く知りたい方へ

今回ご紹介した「指数」のように、数学の裏側には驚きに満ちたドラマがたくさん眠っています。
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